変更事項がなくても「変更届出書」
変更事項がナイから提出しなくてOK、なものではありません。
建設業の許可を取得すると,、年に一度、決算終了後4ヶ月以内にその年度内に関しての事業報告をする義務が発生します。
都道府県知事許可の場合は各都道府県の管轄担当へ、大臣許可の場合は、管轄の地方整備局へ、それぞれ提出します。
その決算期に
どのような工事を施工したか
施工金額は如何ほどか
決算報告書を建設業会計に対応している『財務諸表』に置き換えて作成
他、当該決算期の納税証明書を添付し提出します。
建設業の新規の許可を取得した時点での内容と次年度の内容を照合した場合
工事経歴書・直前3年の各事業年度における工事施工金額・財務諸表・納税証明書については数値が全く同一であることはあり得ません。
次期決算が終了した時点で、許可申請の内容から変更が生じることが当然であることから「変更届出書」という名称なのだそうです。
その決算期から次年度を見れば、前年度から「変更が生じる」結果となります。
故に「変更届出書」なのです。
深いですね〜^^
経審を受審しない業者様は
工事経歴書に記載する工事施工金額・直前3年の各事業年度における工事施工金額・財務諸表は税込でも税抜でもどちらでも構いません。
税務申告がどちらでされているか、その形式に従います。
工事経歴書は元請・下請を問わず
完成工事を請負代金の大きいものから記載し、その後、未成工事を請負代金の大きい順に記載します。
未成工事については、特に記載がなくても問題ありません。
決算書等、その他の書類の様子を見ながら記載しております。(当事務所では)
経審を受審する業者様は
工事経歴書に記載する工事施工金額・直前3年の各事業年度における工事施工金額・財務諸表は税抜でなければなりません。
免税業者は税込で作成します。わざわざ税抜きにする必要はありません。
この方式は、消費税導入後最初の申告年である平成3年分(平成元年導入、2年後から納税が開始)から適用となりました。
その当時をリアルタイムで目の当たりにしましたが、手計算で組替表を作成し最後は帳尻を合わせるという作業が面倒大変でしたね。
交際費や厚生費などは消費税が不課税・非課税のものも含まれているため、組替表で税抜にするともれなく端数が出ましたし。
未払消費税を立てていない、ということもザラでしたし、未払いの税金を立てていなくても受付はされてしまう、という風に現在のような統一はされていなかったと記憶しております。
最初は、税理士さんに『経審受審業者さんなので、税抜きで決算をお願いします。』と言っても『???』という雰囲気でしたが、今ではすっかり浸透しておりますね。
話が逸れました。
経審受審業者様の場合、工事経歴書の作成に一番の時間と神経を使うことになります。
経審を受審する場合の工事経歴書〜財務諸表
作成に当たっては、売上高を完成工事高と兼業にきっちり分けることから始めます。
建設工事に当たらないものは除外します。
金額が小さいものでも。です。
業種ごとに元請工事で請負金額の大きいものから拾っていきます。
元請工事は、例え何千円のものであっても無視しないでください。
元請工事を充実させることが非常に大切です。
完成工事高の7割超を目指します。
500万円以上の工事は全て記載候補ですが、当該業種の元請完工高の7割に達した場合は、それより金額の小さいものについては施工額が500万円以上であっても記載不要です。
元請工事だけで完工高の7割に満たない場合、下請工事を金額の大きいものから拾っていきます。
下請工事も500万円以上の工事は記載候補です。元請工事との合計で完工高の7割超を目指して地道に拾ってください。
請負金額が全て500万円未満の場合、元請優先で完工高の7割超を目指しますが10件まで記載すれば足ります。
未成工事については先に書いた通りで、記載がなくても問題ありません。
経審本審を想定して、総勘定元帳・請負契約書等と照合しながらの作成となります。
こちらは、完成工事高を税抜で官公庁元請・民間元請・下請と分けて記載します。
注意すべきは、損益計算書と製造原価でしょうか。
完成工事高以外の売上高は兼業に振り分け、原価に関しても分けられるものは正確に...まではいかなくても分けた方がいいと思います。
貸借対照表については、未払消費税・未払法人税が計上されている場合は問題ありませんが、
計上されていない場合は、別途計上し(計算方法がございます)尚且つ整合性を取らなければなりません。
建設業会計に沿った形で作成しなければならないので、
場合によっては税務上の決算書と数値の相違が出ることがございます。
税務申告用の決算書が税込みであった場合、損益計算書・工事原価報告書は税抜にしなければなりません。
まず、完成工事高から雑費まで、課税対象となる科目は税抜にしていきます。
その結果、営業利益は決算書と相違が出ます。
経営状況分析で、数値が表示されるのは「経常利益」です。
この「経常利益」は決算書の数字と同一でなければなりません。
税抜に組み替えて出た差額は「その他の営業外収益」または「その他の営業外費用」に算入し、「経常利益」を合わせます。
ここに算入される金額が消費税の課税対象になるものであれば、税抜にしたときには当然、金額に差額が出ますが、この組み替え表作成においては、この部分について考慮をいたしません。
決算書の通りの金額を算入し、当期純利益は決算書と合致させるように作成します。
建設業経理
税務申告用の決算報告書とは多少の相違がございます。
特に、経審受審業者様は免税業者以外は税抜処理が施されていること、兼業がある場合は売上・経費を按分ではなく、きっちり分類しなければなりません。
そのために作成の際、総勘定元帳を拝借させて頂いております。
財務諸表は、経営状況分析機関に送付いたしますが、建設業経理に沿ったものでないとNGが出ます。
NGの内容としては、下記のようなものがございます。
NGが出る科目 | 振替する科目 |
未達小切手 | 当座預金の残高から未達小切手の金額を引いた金額にする |
当座預金がマイナス残高 | マイナス分を短期借入金に振替 |
裏書手形 | 受取手形と相殺し、残りの金額を受取手形の残高とする |
仮払消費税の残高がある | 未収消費税 |
仮受消費税の残高がある | 未払消費税 |
ソフトウェアを繰延資産に計上 | 無形固定資産へ振替 |
入会金を繰延資産に計上 | 投資その他の資産へ振替 |
法人税未計上 |
(流動負債)未払法人税 |
完成工事原価が無い | 税務申告用の決算書に完成工事原価が無い場合、販管費から原価に該当するものを振替 |
その他に算入した金額が多すぎる | 合計の5%以上を占める科目については、個別に記載する |
決算日を変更した場合
法人の場合、決算日を変更する業者様がたまにいらっしゃいますが、この場合は直前3年の各事業年度における工事施工金額の作成に注意を払う必要がございます。
これは直前3期分ではなく、直前3年分についての記載が必要になります。
例えば、それまでの決算期が6月1日〜翌年5月31日までだったとして、今期より決算月を3月に変更する場合、直前3期は
令和元年6月1日〜令和2年5月31日
令和2年6月1日〜令和3年5月31日
令和3年6月1日〜令和4年3月31日
となりますが、令和元年6月1日〜令和4年3月31日まででは満3年に満たないため、そのもう1期前の
平成30年6月1日〜令和元年5月31日の決算期についても記載を要することになります。
その他の留意事項
株式会社の場合、事業報告書の添付が必要になります。
特例有限会社の場合は不要です。
お目にかかることは滅多にないですが、資本金1億円以上・又は直近の負債合計が200億円以上の株式会社様は、附属明細表の提出が必要です。
変更届出書にはポイントポイントで、ココとココは一致しなければNG、という部分が複数ございます。
許可業種が少なく兼業もナシ、という場合には作成もそんなに大変ではないと思います。
実際、自社申請の業者様も多数いらっしゃいます。
決算終了後の変更届出書は、
静岡県では未提出のまま決算終了後6ヶ月を経過しますと催告書が届きます。
たまに、更新直前まで未提出のままの業者様にお目にかかることがございますが、
それだけは絶対におやめください。
決算期ごとに忘れずに提出をお願い致します。
当事務所では
ご依頼があれば、喜んでお受け致しております。
お気軽にお問合せください。